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事業継続計画 ネコデモ

地震、台風、洪水…日本列島には様々な自然災害が襲いかかります。そうした、自然災害が発生した時のため、事前に防災・減災について事業継続計画(BCP)を準備することが、災害後の素早い事業の復興につながります。また、事業継続計画のある企業は、災害があってもビジネスが止まらない、もしくはすぐに再開できるという点で、取引先からの信頼も得られます。中小企業の事業継続計画の策定と維持を支援するのが事業継続力強化計画です。

事業継続力強化計画の概要

事業継続力強化計画とは、自然災害等が発生した際に事業活動への影響の軽減を目的とした、中小企業が行う防災・減災の事前対策に関する計画を、経済産業大臣が認定するものです。
様々な企業が取引をすることでより大きな価値を社会に提供できる昨今では、中小企業だからと言って事前の災害対策を欠かすことはできません。災害が起きた際に経済活動を止めずに、人々が安心して暮らせるような世の中のためには、中小企業でも事業を継続するための事前計画、事業継続計画(BCP)が不可欠です。

とはいえ、中小企業では事業継続計画(BCP)の策定し維持するための余裕がなかったりします。そこで、事業継続力強化計画によって国が、中小企業の事業継続計画(BCP)の策定・維持を後押しします。

経済産業大臣の認定を受けた事業者は、防災・減災にかかる計画実施に対する税制支援や金融支援などの支援措置を受けることができます。

事業継続力強化計画のメリットは?

事業継続力強化計画の認定を受けることで、税制優遇、金融支援、予算支援の三つのメリットがあります

税制優遇

認定された事業継続力強化計画に従って取得した一定の設備等について、取得価格の20%の特別償却を受けることができます。

自家発電設備や制震・免震装置などの機械装置(100万円以上)や貯水タンク、防火シャッター、防水シャッターなどの建物付属設備(60万円以上)が対象になります。いつか来る自然災害に対応する設備を導入することで特別償却を受けられるなら、設備を導入の意欲が高まりますね!

金融支援

防災・減災のための設備や機器を取得するにはお金がかかります。事業継続力強化計画に認定されることで、計画に従って取得する防災・減災のための設備や機器の取得資金について、日本政策金融公庫の低利融資や信用保証協会の別枠など金融支援を受けることができます。

予算支援

事業継続力強化計画の認定を受けた事業者は、一部の補助金の加点を受けられることがあります。

ものづくり補助金に関しては、「災害加点」枠で、事業継続力強化計画の認定により加点される見込みです。

関連記事:ものづくり補助金に採択されるために知っておこう!!加点と減点でアップダウン!

事業継続力強化計画はどんな企業が認定を受けられるの?

事業継続力強化計画の認定を受けられるのは、個人事業主を含む中小企業です。中小企業認定を受けられる中小企業の規模は以下の通りです(中小企業等経営強化法第2条第1項の中小企業)

業種資本金・出資総額従業員数
製造業その他3億円以下300人以下
卸売業1億円以下100人以下
小売業5千万円以下50人以下
サービス業5千万円以下100人以下
ゴム製品製造業3億円以下900人以下
ソフトウェア業又は
情報処理サービス業
3億円以下300人以下
旅館業5千万円以下200人以下

事業継続力強化計画の申請の流れは?

事業継続力強化計画申請の流れは次の4ステップです

1. 制度の利用を検討/事前確認・準備

まずはどのように事業継続力強化計画を利用するか検討し準備します。金融支援や税制優遇を受ける際には、日本政策金融公庫や税務署に事前に確認を取ることをお勧めします。

2. 事業継続力強化計画の策定

事業継続力強化計画の基本方針や作成指針を踏まえて、事業継続力強化計画を策定します。

  • 事業継続力強化の目的の検討
  • 災害リスクの確認・認識
  • 初動対応の検討
  • 人、物、金、情報への対応
  • 平時の推進体制

を盛り込みます。

3. 事業継続力強化計画の申請・認定

事業継続力強化計画の申請を、地域の経済産業局長宛に提出します。

認定された場合、経済産業局から認定通知書と計画申請書の写しが送られます。申請から認定までは約45日かかるので、余裕を持って申請した方が良いでしょう。

4. 事業継続力強化計画の開始、取り組みの実行

税制優遇や金融支援を活用して、事業継続力強化計画の取り組みを実行します。

事業継続力強化計画の申請に必要な書類は?

事業継続力強化計画には

  1. 申請書
  2. チェックシート
  3. 事業継続計画(BCP)をすでに策定していて参考にする場合は計画の書類
  4. 上記のデータ(pdf)を格納したCD-R
  5. 認定書返送のための切手のついた返信用封筒

が必要です。

事業継続力強化計画を申請するのが難しいと感じたら

事業継続力強化計画には自社の災害リスクの把握や、そのリスクに対応する方法について計画を立てる必要があります。

計画を立てる人材がいない、自分では難しそうだと感じたら中小企業の経営のスペシャリストの中小企業診断士と一緒に計画を立てることをお勧めします。

参考

中小企業庁 事業継続力強化計画