後継者がいない中小企業は、全国に127万社あるとされています。手を打たないと貴重な知識や技術が失われてしまい、従業員の雇用も守れない。そうした危機感から政府は事業承継を後押しするため、いろいろな施策を打ち出しています。その一つが事業承継補助金!2020年も令和元年度の補正予算で予算が確保される見込みです。
事業承継補助金とは?
経営者が次の代に交代する事業承継や、他企業から事業を受け継ぐM&Aは、新しいビジネスを進めて経営を革新していく良いきっかけになります。こうした機会に、新しい取り組みにチャレンジする事業者に対して、その取り組みに対して補助を行うのが事業承継補助金です。
事業承継補助金の補助率と補助限度額は?
現在(2020年1月20日時点)で公表されている情報では、原則枠とベンチャー型事業承継枠、生産性向上枠に枠組が分かれており、その中で更に経営者交代型とM&A型に分かれています。
原則枠は経営者交代型、M&A型ともに補助率1/2、ベンチャー型事業承継枠、生産性向上枠は経営者交代型、M&A型ともに補助率2/3となっています。
補助限度額は、225万(原則枠-経営者交代型)〜600万円(ベンチャー型事業承継枠、生産性向上枠- M&A型)となっていますが、なんと廃業を伴う場合は経営資源を譲り渡した事業者の廃業費用がプラスされ補助限度額が倍になります。
枠組 | 補助率 | 補助上限額 | 上乗せ額 ※廃業を伴う場合 | |
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原則枠 | 経営者交代型 | 1/2 | 225万円 | +225万円 |
M&A型 | 1/2 | 450万円 | +450万円 | |
ベンチャー型事業承継枠 生産性向上枠 | 経営者交代型 | 2/3 | 300万円 | +300万円 |
M&A型 | 2/3 | 600万円 | +600万円 |
事業承継補助金はどんなことに使えるの?
事業承継をきっかけとして経営革新などにチャレンジするための設備投資・販路開拓等に使えます。
2019年の事業承継補助金(平成30年度第2次補正予算)では、設備投資や宣伝広告費だけでなく、人件費や店舗等借入費など幅広い経費が補助対象でした。また、既存事業の廃業に関する経費では、解体処分費、原状回復費が補助対象となっていました。
事業承継補助金はどんな企業が申請できるの?
2019年の事業承継補助金(平成30年度第2次補正予算)では、2016年4月〜2019年12月に事業承継やM&Aを行った中小企業で、事業承継やM&A後に経営革新等を進める企業が対象となりました。
2020年においても概ね過去3年前から今年いっぱいの間に事業承継やM&Aを行う中小企業が対象になると思われます。
2020年の事業承継補助金はいつから始まるの?
まだ、スケジュールは発表されていませんが事務局が決まり次第、中小企業庁のウェブサイトに情報を掲載される予定です。
事業承継やM&Aをした、これからする事業者様に是非活用して欲しい補助金です。追加情報が待ち遠しいですね!